第十九章 世界の嘆きと悪夢の始まり #2

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「お前は一番の出世頭だろ! それに、えーと、あれだ、この国の人間じゃないし、あー、散々助けてやっただろ! とにかく入れ」 支離滅裂なツッコミに、ガルンは眉を微妙にひくつかせる。 何か拗ねたような表示になったネーブルを見て、ガルンは頭をポリポリとかいて、 「まあ、考えておく」 と、ぶっきらぼうに答えた。 「おっ、おう!」 何故か返事を貰ったネーブルの方が驚いたようで、微妙に顔を強張らせている。 どうやら、より良い返事を貰えるとは、本人は考えていなかったようだ。 「こんな時に隊長達で酒盛りなんて余裕かな? 余裕なのかな?」 「酒なら我もいただこうか?」 何処からともなく聞こえて来た声に、全員が後を振り向く。 闇夜からひょいと現れたのは、カナンと白き銀嶺だ。 「おっ、嬢ちゃんズお疲れだ!」 アカイが陽気な笑顔を見せる。 カナンと白き銀嶺はガルンが黒鍵騎士団に戻ってから、側近として入団していた。 傭兵集団の側面ならではの加入である。 今では、白き銀嶺が協力を取り付けた、カシアジイーネ連邦共生国との連絡係として右往左往している所だ。 二人を見て、ネーブルは微妙に目を座らせてからガルンの真横に移動する。
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