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「お前は一番の出世頭だろ! それに、えーと、あれだ、この国の人間じゃないし、あー、散々助けてやっただろ! とにかく入れ」
支離滅裂なツッコミに、ガルンは眉を微妙にひくつかせる。
何か拗ねたような表示になったネーブルを見て、ガルンは頭をポリポリとかいて、
「まあ、考えておく」
と、ぶっきらぼうに答えた。
「おっ、おう!」
何故か返事を貰ったネーブルの方が驚いたようで、微妙に顔を強張らせている。
どうやら、より良い返事を貰えるとは、本人は考えていなかったようだ。
「こんな時に隊長達で酒盛りなんて余裕かな? 余裕なのかな?」
「酒なら我もいただこうか?」
何処からともなく聞こえて来た声に、全員が後を振り向く。
闇夜からひょいと現れたのは、カナンと白き銀嶺だ。
「おっ、嬢ちゃんズお疲れだ!」
アカイが陽気な笑顔を見せる。
カナンと白き銀嶺はガルンが黒鍵騎士団に戻ってから、側近として入団していた。
傭兵集団の側面ならではの加入である。
今では、白き銀嶺が協力を取り付けた、カシアジイーネ連邦共生国との連絡係として右往左往している所だ。
二人を見て、ネーブルは微妙に目を座らせてからガルンの真横に移動する。
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