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「っうかさ、前々から聞きたかったんだけど、あのパッキンなんなんだ?
やたら強えし、なんでお前と同じ技使えるんだよ?」
何故か小声の訴えに、ガルンは首を捻る。
「ああ、カナンか? カナンは姉弟弟子だからな。同じ技を使うのは当然さ。俺達は同じ流派の剣士……闇主側の剣士だからな」
ガルンの言葉にネーブルは眉を寄せた。
「はっ? ダークサイド? お前らが? なんのジョークだよ。闇側の住人が
なんで神の国でせっせと働いてんだ。意味分からねぇよ。お前、ギャグのセンスねぇーな?」
「……だな」
ネーブルの主張に、ガルンは小さく苦笑する。
それが普通の反応であろう。
闇の技であろうが、その性質を伝えるのは担い手の問題だ。
善悪の定義は第三者の主観でしかない。
誰しも自身の戦いは、自分にとっては正義なのである。
よって闇が悪とは限らない。その逆も一緒だ。
「伝令が来たよ、団長殿」
唐突に告げたのはアビスだ。
南の方向を見つめている。
音使いの特性か、遠方から何かしらが接近してくる音をサーチしたらしい。
「例の大規模作戦の案件であろうか?」
白き銀嶺の言葉は、全員の気持ちを代弁していた。
ガルン達が酒盛りを切り上げて、本陣に戻る頃には、ちょうど伝令の早馬が着いた所であった。
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