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アカイの愉しそうな笑顔を見て、アビスは非常に嫌そうな顔をする。
どうやらこの手のタイプとは波長が合わないらしい。
二人のやり取りを見ながら、無名は少しだが顔を綻ばした。
「そんじゃ、こうしようぜ! 無名はここを出たら俺が作る独立傭兵団に入れ!」
ネーブルがえへんと胸を張る。
全員がそれを不思議そうに眺めた。
「何だその目は?! 俺は本気だぞ! ちゃんとギルドの正式加盟も取る! モグリじゃねぇーぞ!」
「マジかぁよ、ネぇーブル?」
グレイが口をもごもごやりながら目を見開いた。
食べているのは、乾燥サラミだ。
「テメェー、信じてねぇーな。俺はマジだぜ? 稼いだ金でギルドの認可証を買う! 傭兵ギルドで一旗揚げるのさ。まあ、俺はオーナーだから前戦にはいかねぇーけど。あんたら全員どうた? この面子なら相当稼げるぜ! ちなみにグレイは決定な」
「はぁ? なんだそりゃ」
ネーブルの提案にグレイはあんぐりする。
「どうだい無名!」
すがすがしい笑顔が無名を凝視する。
無名は小さく微笑したようだった。
「それもいいかもしれんな」
「そうこなくっちゃ~! ちなみにガルン! お前もだ!」
「はぁ?」
突然の矛先転換に、ガルンは間が抜けた返事を返す事しかできない。
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