第十九章 世界の嘆きと悪夢の始まり #2

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アカイの愉しそうな笑顔を見て、アビスは非常に嫌そうな顔をする。 どうやらこの手のタイプとは波長が合わないらしい。 二人のやり取りを見ながら、無名は少しだが顔を綻ばした。 「そんじゃ、こうしようぜ! 無名はここを出たら俺が作る独立傭兵団に入れ!」 ネーブルがえへんと胸を張る。 全員がそれを不思議そうに眺めた。 「何だその目は?! 俺は本気だぞ! ちゃんとギルドの正式加盟も取る! モグリじゃねぇーぞ!」 「マジかぁよ、ネぇーブル?」 グレイが口をもごもごやりながら目を見開いた。 食べているのは、乾燥サラミだ。 「テメェー、信じてねぇーな。俺はマジだぜ? 稼いだ金でギルドの認可証を買う! 傭兵ギルドで一旗揚げるのさ。まあ、俺はオーナーだから前戦にはいかねぇーけど。あんたら全員どうた? この面子なら相当稼げるぜ! ちなみにグレイは決定な」 「はぁ? なんだそりゃ」 ネーブルの提案にグレイはあんぐりする。 「どうだい無名!」 すがすがしい笑顔が無名を凝視する。 無名は小さく微笑したようだった。 「それもいいかもしれんな」 「そうこなくっちゃ~! ちなみにガルン! お前もだ!」 「はぁ?」 突然の矛先転換に、ガルンは間が抜けた返事を返す事しかできない。
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