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「……何だよ」
「……何も言ってないよ」
ガルンは恥ずかしいのをごまかす為か、小さく舌打ちしてテントを後にした。
テントの外にでると、三人がガルンを待ち構える様に立っていた。
アルダークにマグリネス、それに茶髪の王宮近衛騎士だ。
視界にアルダークが入り、ガルンの目付きが怪しく光る。
「あの時の少年が、ここまで育つとはな」
「……今ならテメェーも捻り殺せるぜ?」
ガルンの右腕が魔剣に伸びる。
そこでガルンの身体は強張った。
ガルンとアルダークの間に剣が伸びていた。
白銀の分厚い刃には重圧感がある。
幾重ものエノク文字が刻まれたグレートソード。
それからは、身体を萎縮させるのに十分なオーラが漂っていた。
神気を纏った清浄なる波動。
「明日には作戦だ。私闘は止めたまえ」
剣の持ち主、茶髪の青年は真剣な眼差しを向ける。
いつ剣を抜いたか分からない速度。
感じるチャクラは六つ。
ただ者では無い。
「気にするなデュランダーク。この者達の挨拶のようなものだ」
マグリネスの声に、デュランダークと呼ばれた青年は、畏まると剣を納める。
(こいつ……)
ガルンの直感が異質な驚異を感じ取る。
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