終章 月の無い空に世界蛇は哭く 序詞“緋天の開戦” #2

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「……何だよ」 「……何も言ってないよ」 ガルンは恥ずかしいのをごまかす為か、小さく舌打ちしてテントを後にした。 テントの外にでると、三人がガルンを待ち構える様に立っていた。 アルダークにマグリネス、それに茶髪の王宮近衛騎士だ。 視界にアルダークが入り、ガルンの目付きが怪しく光る。 「あの時の少年が、ここまで育つとはな」 「……今ならテメェーも捻り殺せるぜ?」 ガルンの右腕が魔剣に伸びる。 そこでガルンの身体は強張った。 ガルンとアルダークの間に剣が伸びていた。 白銀の分厚い刃には重圧感がある。 幾重ものエノク文字が刻まれたグレートソード。 それからは、身体を萎縮させるのに十分なオーラが漂っていた。 神気を纏った清浄なる波動。 「明日には作戦だ。私闘は止めたまえ」 剣の持ち主、茶髪の青年は真剣な眼差しを向ける。 いつ剣を抜いたか分からない速度。 感じるチャクラは六つ。 ただ者では無い。 「気にするなデュランダーク。この者達の挨拶のようなものだ」 マグリネスの声に、デュランダークと呼ばれた青年は、畏まると剣を納める。 (こいつ……) ガルンの直感が異質な驚異を感じ取る。
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