終章 月の無い空に世界蛇は哭く 肆詞“最凶の悪夢” #2

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同じ剣技を身につけた者同士。型の性質も、技も熟知している。 そうなれば、後は基本的なポテンシャルがものを言う。 スピード、パワー、センス、テクニック、タクティクス、インテリジェンス、そしてメンタル。 相手を凌駕している方が優位だ。 しかし、ガルンには圧倒的なチャクラがある。 本来ならば、その差はそのまま戦いに反映されるはずだ。 だが、それにプラスする外的要因がある。 混沌の聖剣“エグゼス・カリバーン”。 精神力を吸いとる、炎の魔剣ダークブレイズとは真逆の性質だ。 有り余る力を持ち主に供給する。 カナンがチャクラを二つしか使えなくても、ガルンと対等に戦えるのはそのおかげだ。 所有者の力を削って絶大なる力を得る魔剣と、所有者に力を与えながらも、絶大なる力を内包している聖剣。 このアドバンテージの差は大きい。 案の定、ガルンは同質の攻撃の打ち合いのつもりが、後方に押し出された。 しかし、これはフィジカルやチャクラの問題では無い。 聖剣の力だ。 (そうか! この力は……!!) ガルンは体勢を立て直しながら間合いを計る。 天三輝が申し訳なさそうに、ふよふよとガルンの元に戻ってきた。 「その聖剣……、今は地属性、重力を操ってるな……」
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