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それにはやはり蝶白夢でカナンを汚染し、自身にエーテル治療を行わせるのがベストな選択と思える。
だが、それが至極困難なのは立証済みだ。
しかし、その難関を突破しなくてもたった一つだけ、無理矢理エーテル体に干渉可能な方法がある。
それは--
(カナンのチャクラに直接プラーナを流し込む!)
カナンが聖剣から享受している力は膨大だ。
それを取り込む為に、チャクラは外界からのプラーナを取り込み続けている。
その流れに乗せて、浄化作用を促すプラーナを叩き込む。
可能かどうかも謎の賭けだが、可能性があるとすればこれしか方法は無い。
(上等! 分が悪い戦いは慣れっこだ!)
ガルンの魔剣に炎が燃え上がる。
本気で戦う振りをしなければ、カナンに隙など生まれない。
元より、本気で戦ってもカナンに届くかも分からないのだ。
どのみち最終手段はカナンを行動不能にして、治療術師にカムイのように任せるしかない。
「出せる手札は決まった。後は俺の命をベットするのみ!」
ガルンは全てのチャクラを励起させる。
溢れるプラーナが大地を震わせていく。
「何、独り言を言ってるのかな?! 意味分からないよ!」
カナンが正面から肉薄する。
ガルンは躊躇わずにダークブレイズを振り下ろした。
炎が剣先から解き放たれる。
カナンなら防げると信じての戦術だ。
それをカナンは面倒そうに剣で撃ち落とす。
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