終章 月の無い空に世界蛇は哭く 肆詞“最凶の悪夢” #2

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それにはやはり蝶白夢でカナンを汚染し、自身にエーテル治療を行わせるのがベストな選択と思える。 だが、それが至極困難なのは立証済みだ。 しかし、その難関を突破しなくてもたった一つだけ、無理矢理エーテル体に干渉可能な方法がある。 それは-- (カナンのチャクラに直接プラーナを流し込む!) カナンが聖剣から享受している力は膨大だ。 それを取り込む為に、チャクラは外界からのプラーナを取り込み続けている。 その流れに乗せて、浄化作用を促すプラーナを叩き込む。 可能かどうかも謎の賭けだが、可能性があるとすればこれしか方法は無い。 (上等! 分が悪い戦いは慣れっこだ!) ガルンの魔剣に炎が燃え上がる。 本気で戦う振りをしなければ、カナンに隙など生まれない。 元より、本気で戦ってもカナンに届くかも分からないのだ。 どのみち最終手段はカナンを行動不能にして、治療術師にカムイのように任せるしかない。 「出せる手札は決まった。後は俺の命をベットするのみ!」 ガルンは全てのチャクラを励起させる。 溢れるプラーナが大地を震わせていく。 「何、独り言を言ってるのかな?! 意味分からないよ!」 カナンが正面から肉薄する。 ガルンは躊躇わずにダークブレイズを振り下ろした。 炎が剣先から解き放たれる。 カナンなら防げると信じての戦術だ。 それをカナンは面倒そうに剣で撃ち落とす。
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