終章 月の無い空に世界蛇は哭く 肆詞“最凶の悪夢” #2

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そこにガルンが飛び込んだ。 第八のチャクラが輝く。 ダークブレイズに純黒の炎が燃え上がった。 狙いは武器破壊。 聖剣の一撃は天三輝に任せる事にした。 一撃ならば盾が防いでくれる。 盾を排除する攻撃を放った直後、そこならば確実に聖剣のみに攻撃出来る自信がガルンにはあった。 純黒の炎ならば、聖剣すら一撃で抹消できる可能性は高い。 最悪、剣を弾き飛ばすか、カナンを吹き飛ばせるはずだ。 だが、純黒の炎は危険過ぎる。カナンに当てる訳には絶対にいかない。 細心の注意が必要だ。 それを理想的に熟すには、この手順しか無いと判断する。 聖剣を破壊した瞬間の隙を付き、カナンのチャクラに掌打を打ち込みプラーナを流し込む。 それがガルンの出した最善の戦略だった。 しかし--その策略は一瞬で水泡に帰す事になる。 「なっ?!」 間合いに入った一瞬。 刹那の間に聖剣から白銀の光りが溢れ出す。 (馬鹿な?!) ガルンが驚愕するより先に、天三輝が動く。 「無駄だよ! 滅陽神流剣法に物理防御は意味を成さないかな!」 カナンはサクラメントなどお構い無しに斬り掛かる。 瞬間的な霊妙法だ。 十分に霊威力を練れたとは思えない瞬間芸だが、人間一人殺すには有り余る殺傷能力と言える。
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