伍詞“終焉の未来と数の正義” #3

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「下がれガルン!」 背後からグレイの声が聞こえる。 放たれた爆風の魔術がホホウロを後ろに押し退けた。 「チッ!」 ホホウロは舌打ちして、距離をとる。 何ものをも分解する不可視の一撃は、されど広範囲の攻撃までは対応していかったのだ。 直前の風は分断出来るが、足元や回り込む気流までは手が回らない。 「俺様の嫌いな風使い……じゃ、なさそうだな? 魔術のスピード程度じゃ、俺様の敵じゃないぜ?」 強がるホホウロを見て、ガルンはダークブレイズが無いことを悔やむ。 能力を過信している態度から、純黒の炎なら一撃で倒せそうな雰囲気だ。 (接近戦は無謀か? 流石に無式でもアレは斬れそうにない……となれば) ガルンは駆動可能なチャクラを確かめる。 使えるチャクラは四つのみ。 霊妙法使用にはチャクラを三つ占有する。 そうなると、チャクラ一つで冥魔黎明衆を相手取らなければならない。 それは些か無謀なチャレンジな気がする。 「いや……まだ、蝶白夢でも戦いようはある」 グレイの攻撃が有効だったとガルンは判断する。 ホホウロの能力は凶悪だ。 魔法だろうが、金属だろうが、特殊能力だろうが、等しく物理領域のものならば打ち砕くであろう。
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