97人が本棚に入れています
本棚に追加
しかし、その力にも効果範囲が存在する。
グレイの風魔法を完全に防げなかった事から、掌から直径1.5メートル程度が射程と考える。
そして、体が押し流された事から、サイドはがら空きの可能性が高い。
(虚をつけば倒せる)
ガルンは妖刀を振り始めた。
辺りに水飛沫が飛び、水溜まりが拡がっていく。
「ああ? 何だそりゃ?」
ホホウロは地面に拡がっていく水を凝視する。
すると、そこからゆっくりと水蝶が生まれ始めた。
幻惑的な光景だが戦闘中なのだから、ろくなことにならないとホホウロは判断する。
「まあ、何だからしらねぇーが、分断しちまえばどうって事はねぇ!」
前進しながら、周りに拡がる蝶を吹き飛ばす。
次々に蝶は水飛沫に変わっていくが、死角から別の蝶が近づいて行く。
だが、その死角を守るように浮かぶ、金の棒型幽冥獣が蝶を次々に打ち落とす。その為、体まではまったく届かない。
「どんな手品かしらねぇーが、こんなもん何の意味もねぇーぜ?!」
意気揚々と近づくホホウロ。
しかし、それを見てガルンは不敵に笑う。
それを見てホホウロは眉を寄せた。
疑問に足を止める背後から、迫るモノがある。
「……!?」
背筋に走る危険信号。
唸る攻撃を、ホホウロは横に避ける事で躱した。
最初のコメントを投稿しよう!