伍詞“終焉の未来と数の正義” #3

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「なっ……んだと?!」 唖然と攻撃してきた存在を見る。 それは背中を任せた幽冥獣だった。 棒状の形状は謎だが、どうやら蝶を打ち砕いてきたものは肉体だったらしい。 精神汚染にかかった幽冥獣は、無差別に攻撃を始めたのだ。 「ここだ! 滅陽神流剣法、無式二十八型・羽飛沫!!」 ガルンは地面に拡がる、水面を波立たせるような一撃を放った。 まるで津波のように足元を這って進んだ衝撃波は、水飛沫を上げてホホウロの足元で跳ね上がる。 「!!」 ホホウロは素早く掌を向けた。だが、効果範囲の下だったのか、速度が間に合わなかったのかは分からないが、ガルンの一撃はホホウロの右腕と右足を切り裂いた。 「……!!」 「浅い!」 チャンスとばかりにガルンが突っ込む。 「大気に普く風よ答えよ! その速さは風脚にして最速、エアリアル・ラピッド(空圧速射弾)!」 それを援護するように、グレイが風の魔術で作り上げた空気弾を撃ち放つ。 それをホホウロは左腕で消し飛ばす。 (貰った!) 開けた両腕の隙を狙って、真正面からガルンは突きを放つ。 しかし―― 「あめぇ! 冥法・空咒“逸脱の壁”」 見るざる壁がガルンを弾き飛ばす。
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