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金髪チャラ男がなにやらほざいている。程度にしか考えてないはじめ。呆れるしかない。
「返すも何も、テメーらが勝手にしかけたんじゃねーかよ。お前らちゃんとオリガミに詫び入れたか?」
「うるせぇ! あんなよわっちい男は苛められて当然なんだよ!」
「あー、そ」
謎理論を勝手に展開されて思考放棄。喋るのもなんだか面倒臭くなったはじめは、それからなんやかんやと金髪主張を右から左にと受け流す。段々と喋り付かれてきたのか、口数が減っていき、気付けば黙ってしまった。心なしか声が枯れてる。馬鹿である。
「ま、まぁいい! 今回の俺は何時もと違う事を証明してやる!」
そう言うと、学生服のポケットから取り出したのは、赤黒い色をしたカード。目玉の模様が描かれているが、その目は半開きであった。見たことのないカードに、はじめは打って変わって警戒を見せた。
「見たことねぇカラーと模様だな。何の神様と契約したらそんな色に変わんだよ」
「いや、誰とも契約してねぇ! このカードは、ある奴から無償で貰った裏ワザみてーなもんよ!」
「はぁ?」、裏ワザと聞き、良い意味で捉えられないのが普通だろう。眉間にしわを寄せ、柄悪い声色で思わず聞き返してしまった。
「俺達みてーな落ちこぼれは、誰とも契約出来ねぇ上、出来ても式神。良くても下級の神ぐらいだ。だが、このカードを使えば! なんと! 俺みてーな落ちこぼれでも上位クラスの神と契約出来る寸法よォ!」
落ちこぼれにコンプレックスを抱いていると解釈してもいい言い分に、何処か冷めた目線で男を見るよもやそんな嘘くさい物に手を出すとは思わなかった。そう言いたげな目。たった一人の男に、ここまで呆れさせられるとは思いもしなかったと、ポケットに手を突っ込んではじめは落胆した。別に落胆する程この男に期待値があったかと言えば、違うのだが。
「来るならさっさと来いよ。飯が待ってる」
「うるせぇ!」
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