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神を使役する。
それは、誰にも許されはしない禁忌の行為。
それは、誰もが口には出来ない許されない謀反。
神とは、時代を経て、様々な国から、崇め讃えられる究極的存在。
神とは、絶対的な力を持つ空前絶後成る力。
神とは、人の上に天道を築きあげ、その頂点に君臨せし者。
しかし、時代は変わる。そして、世界は変わる。
人々は、神を利用する術を得たのだ。
時代が変わり、『神を使役する事』を一つの学問として仕上げたある学園があった。
八百万学園高等学校。
この学園は、神とコミュニケーションをとる事によって、神の力を人為的に引き出すと言う分野、そのただ一点に重点を置いた学問を学ぶ場所である。その学問、名は『神力学』。神の力を引き出す方法を学ぶ唯一無二の学問である。
炎を司る神と交渉し、何もない空間から炎を生み出す事が可能である。
水を操る神と交渉し、突如として水を湧き起こすことも可能である。
風を御する神と交渉し、風が吹かない地帯に風を吹かせる事も可能である。
それが、神力学。その異形さから、超能力を学ぶ学園とも呼ばれ、良くも悪くも懸念された学園である。
「うわぉっ! あっぶなぁ!」
一人の少女が、襲いかかる炎を飛んで避ける。黒いショートカットが、大きく靡く。制服のブラウンのチェックスカートがひらめく。火炎放射器のような威力で襲いかかる炎に生身で触れたら火傷どころの騒ぎではない。少女は、ややオーバーなリアクションで回避しつつも、コミカルっぽい雰囲気を出しつつも、割と真剣に、ちゃんと避けた。直線的な炎が自分の近くを通り過ぎる。炎が通り過ぎた後には、地面に線上の焦げ跡が出来ていた。それが、今の炎の火力の高さを示していた。因みに熱気に当てられたのか、少女はぴょんぴょんと跳ねていた。
「あっつ! ちょう熱いっ!」
して、その炎の攻撃をした犯人はだれか。少女の目には、右腕を目の前にかざす坊主頭をした男が立っていた。野球部のユニフォームを着ている事から、野球部なのも分かる。手のひらからは、火の玉がメラメラと浮かんでいる。突如として、その火の玉が大きく膨れ上がる。そしてそのままそのファイアボールを野球ボールの如く投げつけた。先程と同じようにして、炎が襲いかかる。
「ちょまっ! 危ないってばぁ!」
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