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「あ、二葉ちゃん。また目ん玉のカード使ってる人出てきたよ。うん。うん。そう。しかも十二神宮の人だったよ。え? あぁ、うん。ほら、野球部部長の。あー! そうそう! その人その人! とにかくさ、ちょっと十二神宮に連絡寄越しておいてくれない。私じゃこの人運べなくてさー! え? えー、だって私余り好きじゃないんだもんあれ。副会長の二葉ちゃんがやってくれれば取りあえず問題ないからさ!」
電話越しの少女が、はいはいと頷く。
『分かってるよ。また何時もの会長権限って奴でしょ? 生徒会会長、九九寺つくもちゃん。何時も通り、後処理はアタシがやるからね』
「ありがとう! あとでケーキおごってあげるからねー!」
九々寺つくもと呼ばれた少女は、嬉しそうに笑う。電話越しに、二葉のやれやれと言う声が聞こえてきた気がした。
◆
時間も場所も変わり、ある場所、ある夜中の事。
「三鬼はじめェェエエ!」
「あン?」
大きな声を出したのは、金髪ピアスが特徴なチャラチャラした風貌をした男だった。その大声、即ち三鬼はじめと呼ばれた男は、口悪くして声がする方に振り向いた。三鬼はじめも柄の悪さでは中々劣っていなく、明るい茶髪のショートカットと目つきの悪さ。そして190はあるだろう身長が印象的であった。ボタン全開で学ランを着ており、ズボンに入れていないワイシャツが不良さを物語る。それはチャラ男の方も同じではあるが。
「テメェにこの間やられた借り、返させてもらうぜ!」
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