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金髪の男は、目玉のカードを額にかざす。すると、目玉は大きく見開き、血走った。エグく、気持ち悪く。ぎょろりと見開く目が、真っ直ぐと此方を見つめたかと思えば、黒目がゆっくりと動き、カードの使用者の方を見つめる。カードが、目が、使用者を視界に入れ、主が誰なのかを認識する。そして、目から溢れる赤黒い光が、男を包む。
しばらくして、光の渦から男が走って現れる。霧を突っ切るかのようにして現れたその姿は、先程まで見知った姿とは違った。髪の毛の色は黒くなり、髪がのびていた。顔には、白い仮面のようなものを付けており、その仮面には額に一本の角がはえていた。そして手には、巨大な鎌。その異形な姿、さながら鬼辺りを思い起こさせる。
『鬼神』
鬼の神が、あのカードで呼び出されたと言うのか。
鬼が、その足を以てして、その武器を以てして、容赦なく、無慈悲に、はじめの元に襲いかかった。距離は容易に詰められ、恐怖をあおるその姿が、空気を張りつめさせる。ぴりぴりとした雰囲気も襲いかかる。そして、その自慢の人殺しの大鎌を振りかざした。
そんな鬼をグーパンチで仕留めた。
「ふぐうぅうあああ!」
仮面をワンパンでバッキバキに砕き、思ったより痛かったのかはじめの前で悶えていた。
「よっこらせっと」
寝転がっているので、折角だと思ってマウントをとってみる。そのまま一発、二発とパンチする。これは痛い。痛いだろうけど、手は止めない。変に躊躇して起き上がられても困ると思って、連続パンチ。ちょいちょいごめんなさいとか聞こえてくるが、お構いなし。そんなことを続けていたら、金髪チャラ男は元の姿に戻り、そのそばには金髪チャラ男が使用していた赤黒いカードが転がっていた。目は、大きく見開かれている。
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