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こんな状態で、こんな意地悪な月森と迎えるクリスマスは、酸っぱい思い出になるのか甘い思い出になるのか。
あの頃のように学生でもなければ恋人でもない、本来ならシーズンではない私達の5年越しのクリスマス。
何がどうなるかは分からないし、何もどうもならないかもしれない。そもそも自分がどうしたいのかも今はまったく分からない。
だけど、今度は間違えないように慎重に、そして大切にしなければと強く思った。
季節外れの苺を味わうように、大切に。
「じゃあ、ケーキでも選びに行きますか?」
「あ、えーと、ぜひ付き合わせてください、だっけ?」
「よくできました」
クリスマスは、とっておきの映画を持っていこうと私は密かに心に決めた。
『季節外れの苺』おわり
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