259人が本棚に入れています
本棚に追加
簡単な引き継ぎ作業を行い、
放送部室の外に出た時には、
すっかり暗くなっていた。
「家まで、送って行くよ」
部室の鍵を閉めながら、
春山先生が言った。
「…えっ…」
「遅くまでかかっちゃったから、
打ち合わせ」
――これって、ものすごく
ラッキーなんじゃ…。
嬉しさのあまり緩む頬を
必死で抑え、いいんですか、
と聞こうとした時、
「いいんですか?嬉しいっ」
春山先生を挟んだ向こう側から、
加賀月子が可愛く声を上げた。
「……」
……そう、だよね……。
二人きりのわけ、ないか……。
わたしはがっくりと
肩を落とした。
最初のコメントを投稿しよう!