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簡単な引き継ぎ作業を行い、 放送部室の外に出た時には、 すっかり暗くなっていた。 「家まで、送って行くよ」 部室の鍵を閉めながら、 春山先生が言った。 「…えっ…」 「遅くまでかかっちゃったから、 打ち合わせ」 ――これって、ものすごく ラッキーなんじゃ…。 嬉しさのあまり緩む頬を 必死で抑え、いいんですか、 と聞こうとした時、 「いいんですか?嬉しいっ」 春山先生を挟んだ向こう側から、 加賀月子が可愛く声を上げた。 「……」 ……そう、だよね……。 二人きりのわけ、ないか……。 わたしはがっくりと 肩を落とした。
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