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心臓が飛び出して来そうなくらい、
耳元でバクバクと脈打つ。
皆の足音が遠のき、
やがて静けさがやって来ても、
鼓動は治まらなかった。
わたしの口を右手で塞いだまま、
先生はいつものイジワルな表情で
こちらを覗き込んだ。
「ちょっとだけお前のこと
さらうけど。…いい?」
「……」
小さく頷くと、先生は
やっと手を離した。
音楽室の引き戸を静かに閉め、
わたしの手を取って、
窓の方に歩き出す。
――先生と、手、繋いでる…。
それだけで、
わたしの顔は熱くなった。
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