第六世 交わらない魂

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 目が覚めると、そこはいつもと変わらぬ風景だった。 天井も寝ているベッドも、此処が自分の部屋だということを認識させられる。 だけど、この違和感はなんだろう。 胸を押し潰すこの不安は、夢から覚めても消えることはなかった。  カーテンの隙間から差し込む日差しに、晁光は目を細めると重たい上半身をゆっくり起こす。 「…………」 そして、未だに重くのしかかる何かを確かめるように、痛む胸に掌を当てた。
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