第六世 交わらない魂

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 今まで見た事もない柳の真剣な瞳に見詰められ、次第にレナの頬は赤く染まっていく。 「っ……いない、けどっ……」 「”けど”?」 先を促すように聞き返してきた柳から顔を逸らすと、レナは熱くなった頬を両手で抑えた。 「あっ……朝っぱらから、そんな話ししないでよっ」  この期に及んで話しを長そうとするレナに、柳は眉を潜めると再び問いかける。 「だったらいつならいい?」 「!」 驚いたように顔を向けてきたレナの瞳を捕らえると言葉を続けた。 「昼? 夜? いつならいいの?」  淡々と、まるで感情など忘れてしまったかのように問いかけてくる柳に、レナは目を見開くと気まずそうに目を伏せた。 「……本気、なの?」 「こんなこと、嘘吐いてどうするの?」 「……っ……」 逆に聞き返され言葉に詰まる。  おずおずと視線を向けてきた彼女の頬が、次第に赤く色づいていく様を目にし、柳は目を細めると静かに口を開いた。 「返事、聞かせて」
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