第一世 一番古い記憶

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ー 意識が薄れてゆく中、もう息がない柳月の温もりを腕の中に感じながら、刀以外の感触を右手に感じ視線を向けた。  地面へと崩れ落ちる直前、無意識に手を伸ばした先にあったセイヨウサンザシの赤い花が、開いた掌から零れ落ちる。  空を舞う赤い花びらを見詰めながら、またいつか、再び訪れる出逢いを信じて、俺達は深い眠りについていった。ー
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