第六世 交わらない魂

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 とあるファミリーレストランの店内。 休日ということもあり、周りが家族連れやカップルで賑わう中、窓際のテーブル席では、晁光と衛が向かい合って昼食をとっていた。 ハンバーグを頬張っていた衛は、向かいでサンドウィッチを片手に頬杖をつきながら何やら物思いにふけっている晁光の姿に眉を潜めると身を乗り出す。 「お前さ、そんなに俺と飯食うの、つまんねーか?」 「…………」 問いかけても心此処に有らずの晁光の様子に、衛は顔を引きつらせると頬杖をついている晁光の腕を思いっきり引っ張った。 「おいっ。ムシすんなってっ」 「えっ? なにっ?」 驚いた顔をして聞き返してくる晁光に、衛は呆れた顔をすると不満げに口を尖らせる。 「……聞いてなかったのかよ?」 「ごめんっ」 晁光の返事に衛は深い溜息を吐くと、後ろの背もたれへとふんぞり返った。 「たっくよぉー。せっかく外に連れ出してやったのに、少しは俺の話し相手になれよなぁ」
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