第七世 君がいない世で君を想う

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 柳との昼休みを楽しんでいたレナは、突然間に入って来た先輩二人の存在を気にする訳でもなく、腰を上げると屈託の無い笑顔を晁光に向ける。 「初めまして。レナって言いますっ。先輩って柳と同じサークルなんですよね?」 唐突に話題を振られ、晁光は一瞬面食らうも、何の警戒心もない笑顔を向けてくるレナに苦笑い頷いた。 「あ、あぁ」 「ミステリーサークルって何するんですか?」 「えっと……怪奇現象とか不思議なことを研究するサークル、かな?」 「へー……なんか怖そうっ」  素直な感想を漏らすレナに、晁光は返答に困り眉を八の字に曲げる。 そんな二人の会話を見守っていた柳は、そっとレナの肩に手を置くと彼女に声をかけた。 「そんなことないよ。今は、夢について研究してるんだ」 「夢?」 首を傾げて聞き返すレナに微笑むと、晁光へと視線を向ける。 「そう。ねっ? 先輩」
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