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この世に兄妹として生まれ落ちたとき、まだ前世の記憶はなかった。
仲の良い兄妹として育てられ、その関係を疑いもせず共に育ってきたのだ。
柳月が16歳の誕生日を迎えるまでは、何処にでもいる普通の兄妹だった……。
16になった妹に誕生日プレゼントを渡そうと、手が触れた瞬間、まるで走馬灯のように前世の記憶を取り戻した。
自分たちは兄妹などではない。
ずっと、ずっと何年も想い焦がれてきた相手なのだと。
それに気付いた瞬間、同時に地獄に突き落とされた。
この世でも、報われぬ想いなのだとーーーー。
その後、直ぐに柳月は日本を離れた。
留学とゆう名目のもと、過ちを犯さないようお互い、この世では離れて生きることを決めて。
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