第二世 神の悪戯

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 冗談めかしにそう言った柳月に、晁光は頷くと、それも良いかもしれないと微笑んで見せた。 「そうだな。それも悪くないな」 「……これで、最後かもしれないけどね」 目を伏せ小さく呟いた柳月の姿に、晁光は目を細めた。 「柳月……」 この顔を見れるのは、これで最後かもしれない。 どの世でも柳月は美しい女性だった。 容姿が変われど、何処か面影が残っていると感じるのは本来の彼女を愛しているからだろか。 「……愛してる、柳月」  不意をつき晁光の口から零れ落ちた言葉に、柳月の顔が歪む。 再び涙を流すと、晁光の胸に擦り寄った。 「……っ……私もっ……愛してるわっ……晁光っ」  震える柳月の肩を抱きながら、晁光は小瓶の蓋を親指で押し上げると、中に入っていた液体を一気に口に流し込んだ。 液体を半分程、喉に流し込むと、柳月の顎を上げさせ口づける。
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