第三世 数年の時を得て、現世で二人は巡り逢う
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物心ついたときから、頻繁に赤い花の夢を見るようになった。 それが何の花なのか、調べてみて初めて実在する花なのだと知った。 そして、決まって現れる顔の見えない人の陰。 最近では、それが女性なのだと分かるくらい鮮明な夢に変わっていた。 赤い花びらとともに風に舞う、長い黒髪。 それとともに鼻孔をくすぐる甘酸っぱい香り。 彼女が振り向く瞬間、決まって目を覚ます。 結局、それが誰なのか分からずにいた。
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