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大学のとある教室の一室。
”ミステリー研究サークル”と明記されたプレートが掲げられたドアの前に辿り着いた衛は、バックを肩に引っ掛けるとノックもせず勢いよくドアを開け中へと飛び込んで行く。
「晁光ー!」
古びたテーブルの端に腰掛け、手にした分厚い本に熱心に目を通していた晁光は、突然、現れた衛の姿に、あからさまに迷惑そうな顔をすると乱暴に本を閉じた。
「何度言えば分かるんだよ? ノックぐらいしろ」
「大したことしてねーくせにっ」
自分の訴えを物ともせず、パイプ椅子に腰を下ろした衛を一瞥すると、晁光は深い溜息を吐く。
「うるさい」
大量に本が詰まっている本棚を真剣な眼差しで物色している晁光に、衛は浮かれた様子で問いかける。
「お前さっ。この後、暇?」
「なんで?」
自分の方には一切振り向かず聞き返してきた晁光の態度を気にする事無く、衛は言葉を続けた。
「合コン行かねっ?」
「興味ない」
晁光に即答され、さっきまで浮かれていた衛は眉を八の字に上げると勢いよく立ち上がる。
「なんでだよっ?」
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