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人懐っこそうな柳に、衛は笑顔を向けると差し出された手を握った。
「俺、”星野衛”。晁光と同じ3年」
「よろしくお願いします」
お互い自己紹介が終わり、柳が何か言いたげにそわそわし出した姿に、晁光は様子を伺うように問いかける。
「それで……どうしたの?」
晁光の問いかけに、柳は視線を泳がせると言いづらそうに口を開く。
「あー……その、此処って”ミステリー研究サークル”ですよねぇ?」
確かめるように問いかけてきた柳に、晁光は一瞬目を丸くするが、次の瞬間慌てて身を乗り出すと声を上げた。
「そうだけど……もしかして、入部希望っ?」
「あー……まぁ……」
はにかみながら小さく頷いた柳と、瞳を輝かせている晁光を見比べると、衛は慌てて間に割って入る。
「マジでっ? やめとけ、やめとけ! こんな辛気くさいサークルッ」
「お前、失礼だなっ」
眉を吊り上げて訴えてくる晁光を無視すると、衛は柳の肩に腕を回した。
「どうせならさっ、俺と合コンサークル入んないっ?」
「えっ?」
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