第五世 蘇る記憶

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 ぽつり、ぽつりと柳が話す夢の詳細に、晁光は真剣に耳を傾けた。 話しを聞けば聞く程、やはり柳は柳月の生まれ変わりなのだと確信する。 見た目は以前とは似ても似つかない柳が、次第に、自分が良く知っている彼女の姿と重なっていく。 長く揺れる睫毛も、手持ちぶたさに髪をいじる仕草も、すべて以前の彼女の面影を連想させた。 紅など引いていないのに、セイヨウサンザシのように赤く色づいた唇が動く様に囚われる。 何度も生まれ変わり出逢ってきたのに、その唇に触れたのは、たった一度だけだったことを思い出す。 それも、記憶が蘇った途端、決して結ばれぬ想いだと諦めた世に、次の世がないことを願い口づけた死の接吻。 初めて触れた彼女の唇は、離れがたくなるほど、愛おしかったーーーー。
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