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「……”柳月”」
そう呼ばれ、なぜだか自分のことを呼んでいるのだと感じ、柳はゆっくりと視線を上げる。
そこには、いつも夢で自分を待っている総髪の男性が、優しい瞳を向け微笑んでいた。
思わず笑い返すと、彼は一瞬驚いたような顔をするも次の瞬間、目を細め今にも泣き出しそうな笑顔に変わる。
そっと頬に触れた温もりに、まるで現実に触られているような錯覚に陥った。
だが次の瞬間、総髪の男性だと思っていた彼の顔が、晁光へと変わる。
途端、柳は驚いて目を見開くと、晁光の手を振り払い勢いよく立ち上がった。
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