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散歩に誘ったのはセシルだ。
クラウスとふたりっきりになりたくて。
どうして私が誘ったのか、クラウスに見透かされているだろうか...。
きっとクラウスのこと。あのティータイムの時からこうなるとわかっていたかもしれない。
それでもいいと思っている。
みんなといる時はもちろん楽しく、心地がいい。
が、クラウスとふたりきりも比べられないくらい愛しい時間だ。
朝の散歩で来る池にたどり着いた。
セシルは空いている手でケープのえりを立てた。
「飛竜はどうしているでしょうか...。」
ひらけた空を見上げ、セシルがつぶやいた。
「それを聞きたくて俺を誘ったのか?」
セシルはクラウスに視線をやると、意地悪そうにこちらを見るクラウスの目とぶつかった。
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