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セシルは小さく笑みを浮かべた。
「そうです。ふたりでゆっくりと話をしたいと...。」
冷たい彼の指先がセシルを誘うように撫でさする。
「そうか...別にいい。
お前がリチャードから返事がもらえないように、俺にも来ない。」
クラウスは露骨につまらない顔をしてセシルから正面へと視線を向ける。
「そうですか...。」
「あいつらに任せたんだ、信じるだけだ。」
「リチャードを信頼されているのですね。」
その言葉にクラウスはふっと鼻で笑った。
「領土内に置きながら独立しているあいつらの国を、俺が敵視していると思っているのか?」
そう言われ、セシルは自分の言葉の軽薄さに気づいた。
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