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そっと近付き、校舎の陰から覗くと、 …先生は何やら上の方を見上げ、 キョロキョロしている。 そうかと思えば、 一度小屋から離れて、 壁に沿って近づいて、 立ち止まって、という動きを 何度か繰り返す。 何となく声をかけづらくて、 わたしはその様子をしばらく 眺めていた。 …なんかわたし、最近、 隠れてばっかりだな…。 後ろめたさを感じ、 引き返そうかどうしようか 迷っているうちに、 春山先生のものとは別の 革靴の足音が近付いて来ることに 気付いた。 壁際に引っ込んで、身体を縮める。
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