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恐る恐る顔を出すと、 ――春山先生は腕組みをして こちらを見ている。 …また、見つかった…。 すごすごと壁の陰から出て行くと、 春山先生と並んで立つ、 中年男性の姿が 視界に飛び込んで来た。 がっちりとした体つきと、 鋭い眼。 白髪交じりの頭と、 少しくすんだ顔色が、 やや疲れを感じさせる。 わたしがぺこりとお辞儀をすると、 その目は少し和らぎ、 男性が微笑みを湛えて頷き返した。 「教室に戻ってなさい」 春山先生は、 子供をたしなめるような、 優しい口調で言った。
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