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「そろそろ始めるか」
「うん」
長瀬に続いて、会場に入る。
二次会の進行よりも、明日の約束の方が緊張度は高い。
私たちの後に入場してきた新郎新婦。
無数のフラッシュが焚かれる中、夫婦になった二人がその光に負けないくらいの笑顔で応じている。
いつか私にも、こんな風に心から笑える日が来るんだろうか。
そのとき隣にいるのは、誰なんだろう。
……長瀬だったら、と考えるのは自然で。
だけど頭の中でさえ、上手く形になってはくれなかった。
明日の話で、事態は好転するんだろうか。
それとも、変わって欲しくないものが変わってしまうんだろうか。
どちらにせよ、変化は、訪れるんだろう。
緊張と不安、期待と……覚悟が、私の胸で渦巻いていた。
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