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支度を終えて戻った会場では、長瀬と筧さんが受付に立ってくれていた。
慌てて駆け寄り、筧さんに声をかけた。
「すみません、代わります」
「大丈夫ですよ」
「いえ、私の仕事なので……」
「そうですか? 確かに、女性に立っていただいた方が華やかですしね。では、お願いします」
そう言った筧さんがまたふわりと笑い、私に場を譲ってくれた。
長瀬に並んで、来場者を捌いていく。
やるべきことだけを淡々とこなしていくだけで、お互い特に言葉はなかった。
開場の時間になり、ゲストがあのきらびやかな空間へと吸い込まれていく。
それを見守っていると、長瀬に腕を引かれた。
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