番外編

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「リリア、こんな独占欲の強い男でいいのか? 父が、もっと良い男を捜そうか?」  クロードはいたずら顔をしながら訊ねた。  グレイのこめかみがピクリと動く。  クロードはサッと立ち上がり、そして、リリアの黒髪を撫でた。  クロードの瞳は柔らかい。そして、少しの切なさも含んでいた。 「リリア、リリアはわしの娘じゃ。この黒髪は、……メイアの形見。メイアの形見を持つリリアはわしの娘なのだよ。困った時は、いつでもこの父を頼るのじゃよ」 「はい、父上」  リリアは優しく答えた。  グレイは、ピクリと動いていたこめかみの感情を、なんとか収め、 「リリアは3人の父がいるね」  と言い、黒髪を撫でる叔父の手を払いのけ、自身の手でリリアの髪を撫でた。  クロードは呆れ顔。  リリアは真っ赤な顔。  そして、グレイはリリアに極甘顔。  こうして、いや、そんなわけで? 北門塔を訪れていたリリアは、グレイの迎えで南門塔に帰る。 .
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