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「えっ! 無理よぉ。こんなの着れないわ」
私室に戻ったリリアに、ティアとティナが少々セクシィなドレスを薦めている。
「リリア様! グレイ様をこれ以上待たせてはなりません。覚悟をお決めください!」
2人はズンと前に出て、ドレスを押し付けた。
リリアは思わず受け取る。
受け取ってしまったが最後、ティアとティナはリリアを寝室に押し込めた。
「あっ……」
呆気に取られるリリアの手には、セクシィではあるが、美しいドレスが魅力的に輝いていた。
「き、着てみよっと」
リリアは独り言を言い、ドレスを身に付けた。
寝室の扉が、そぉーっと開かれる。
待ち構えていた侍女たちは、息をのんだ。
リリアの姿があまりにも美しかったのだ。
何も言葉を発しない侍女たちに、不安になったリリアは、
「……あっ。っと、似合わないわよね。へへっ」
と言ったのだが、
「リリア様! あまりにも美しすぎて、私ども見惚れておりました」
ティアは、目を大きくして告げた。皆も頷く。
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