番外編

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 部屋に入った瞬間、グレイは固まった。  薄白桃の滑らかな背中が、艶やかな黒髪の隙間から、色香を放つ。  腰のラインが強調されたテールドレス。 「リ、リリア?」  その色香を放つ後ろ姿に、グレイは声をかけた。  リリアがそっと振り返る。 「!!っ」  強調されているのは、腰だけではなかった。  ……  巫女服姿、上品なドレス姿。そんなリリアしか見たことのないグレイは、目の前のリリアに言葉を失った。 「……あの、着替えてきます。似合いませんよね」  何も言わないグレイに、リリアは悲しくなった。そして、踵を返す。  寝室に入ろうとするリリアに、衝撃が走った。  グレイが、後ろから抱きしめたのだ。 「リリア、……すごく綺麗だ」  グレイはそう言って、露になっている左肩に、口付けをした。  リリアの肌が紅色に変わる。  紅色の桃がグレイを誘惑する。  ーーこれ以上、惑わせないでくれよ、リリアーー .
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