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先生との間に二台の車を挟み、
わたし達の乗る車は、
慎重に先生の車を尾けて行く。
白井さんが運転しながら、
バックミラーから
わたしに視線を送った。
「萌ちゃんは春山先生のこと、
本気で好きなんだね」
「……」
「さっき泣いてたの、
先生のせいなんでしょ?
あそこまで泣くなんて
よっぽどだなと思って。
…月子から奪っちゃえば?
俺、萌ちゃんの味方に
ついてあげるよ」
「……」
わたしは何も
答える気になれず、黙っていた。
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