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***** 部室のドアをノックすると、 中からガタガタ、という音がした。 …何だろう…。 一瞬の間の後、 「はい」という返事。 「失礼します…」 ドアを開けると、 テーブルの向こうに 春山先生が座っていた。 「先生…」 ほっとして足を踏み入れると、 その二つ離れた席に座る 加賀月子の姿が目に入る。 …え…。 彼女は少し俯き、 指先で栗色のきれいな髪を 整えていた。 春山先生はいつもと 変わらない無表情で、 原稿に目を落としている。 「……」 …なに、この空気…。 「おつかれさまです、萌先輩」 立ち竦むわたしに、 月子ちゃんがにっこりと 微笑んで見せた。
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