第1章 -過去ー

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「危険度レベルC:スティールベア-。割と大した事無かったな」 鋭い爪、鋼の甲殻、鉱石、「人」を好物とし、人間を見ると襲いかかる牙獣。 前足の攻撃は大木をなぎ倒す程の怪力であり速度も速く普通の人間はすぐに追いつかれてしまう。 そのスティールベア-は俺の目の前で地に伏せ恨めしそうに俺を睨んでいる。 「お前が村の子供を攫って食ったのか?」 返事がある筈もないのに俺はスティールベア-に問いかける。 依頼内容は森で遊んでいた子供が襲われた事から始まる。 なんとか逃げてきた子供たちがスティールベア-に襲われたと泣きながらに話していた時は気の毒に思った。 襲われた子供のお陰でスキが出来、逃げ切った子供たち。 襲われた子供は最後に何を思ったのだろうか? 村で泣き崩れた人がいた、襲われ一人帰って来ない子供の母親だった。 「スティールベア-は必ず俺が倒伐してきます」 俺は村に到着して事情を聴くとすぐに踵を返し森へとむかった。 最終的に森にスティールベア-は全部で26匹いた。 「まあ他のスティールベア-の腹の中は何もなかった。だから後はお前1匹だけだからお前が食ったんだろう?」 手に魔力を込める。 スティールベア-の前後の足はグチャリと潰れる。 断末魔の叫び声を上げるスティールベア-。 その口も数秒後には潰れた。 闇の中級魔法インパクト・グラヴィティー 普通は身体全体に重力が掛かる魔法だが、俺は圧縮したインパクト・グラヴィティーをスティールベア-に5カ所五体に設置し発動させていた。
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