第1話

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 まさかの質問で少し焦る。  私はまだ地球に来てから三年。すでに地球人の齢でいえば成人を過ぎている。こちらに来たときは、すでに知(宇宙)人の助けがあって、この店を始めていた。  つまり、私にはシュウカツの経験がない、わけだ。 「あ、それ前に聞いたことある。なんか、小売業者に入って三年くらいこの店開店させるための資金を貯めてたんですよね?」  さすが、有沢先輩。ナイスフォローです。 「そうそう。そうなんだよ」 なんて残念な回答。有沢先輩に申し訳ない。 「かっけー」 「まあね」  なーんてかっこつけてみたけど、本当は全然違うということは絶対に、内緒。 「あ、じゃあ、なんで喫茶店だったんですか?バーとかは?」 「それは、内緒」  それは、内緒。というか、特に考えてません。 「めっちゃ気になるー」  ごめんよ。
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