1時間目:背負うモノ

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ノーストップでよくもまぁ、会った事もないヤツの事をペラペラと話せるな。 「蒼!橘!何の話?俺もまぜてよ!」 おぉ、救世主! 180センチ前後の長身に、茶色の短い髪。 柔らかい目尻が印象的な、整った顔立ち。 こいつも2年の時に同じクラスだった、東雲太一。 「太一君っ!あのね!うちらの担任の先生の事!」 「橘、太一やるやら、あとはあっちで話しててくれ。」 救世主を即座にミーハー女子に売り、そそくさと撤退。 「「えっ!?ちょっ!!」」 2人の重なった声を無視して、廊下に出た。 屋上にでも行って、HRまで避難しよう。 少し駆け足で屋上に向かう。 屋上の扉を開くと、一気に春の風が入ってくる。 気持ちいい。 いっそのことHRもサボろうかな…。 なんて、くだらない事を考えをしていると、風に乗ってどこからかタバコの匂いがした。 屋上の隅で、ふぅー、とタバコを吹かすワイシャツ姿の男が立っていた。
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