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教室に戻ると、若干ヤツレ気味の太一と、期待に目を輝かしている橘が、机に座っていた。
少し太一に同情しつつ、席についた。
私の席は、教室の真ん中より後ろの席。
でもここからでも中庭の桜は見える。
HR前のチャイムが鳴り、生徒は一斉に席に着く。
その後すぐに人が1人教室に入って来た。
もちろん、私は見てない。
中庭の桜を見てる。
女子生徒が急に騒ぎだす。
あー、イケメン新任教師だからか。
でもやっぱり興味ないから、桜から目線を外して机に突っ伏す。
…と、頭のてっぺんにチョークが直撃した。
「いって!!」
慌てて頭をおさえる。
痛い。
今時チョーク投げ飛ばす教師いるんだな…。
「俺様の登場をスルーしてんじゃねぇよ」
「ってーな…。マジいてぇ。」
床に目を落とすと、先から先まで粉砕しているチョークがある。
どんな強さだよ…。
「おい、聞いてんのか?安上がり女」
「あぁ、さっきのタバコの人か。何?担任なの?」
頭をさすり、タバコの人に目を動かす。
今度はワイシャツだけじゃなくて、上着も着て、スーツ姿だ。
「俺さっきからそう言ってるよな?」
到底教師とは思えないほどの殺気を放たれる。
「あー、そう。」
それさえもかっこいいと見えるのか、女子生徒は黄色い声をあげる。
いやもう奇声に近い。
「おら、静かにしろよ。俺はこの3組3組の担任になった、海風晴真だ。」
女子生徒の奇声で、今日のHRは終わった。
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