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あ、コレ、限定のやつだ。
1個買うだけでもすっごい列ぶのに…。
3個もあるし。どんなツワモノ?
「おいひぃーー」
ドーナツを頬張ると、桜の香りがふわっと口に広がる。
海風は眉をひそめながら紅茶を飲んでいたけど、私の方を見てふっと優しく目を細めた。
屋上で見せた不敵な笑みとは違い、まるで別人だ。
こんな風に笑うなんて知ったら、もっとファンが増えそうだな…。
「ドーナツ…ありがと。けっこう列んだろ?」
「いや、5分で買えたぜ?前に列んでた女共が俺様に道を開けたからな」
うわぁ…不正、のようなそうでないような…。
また黒い笑みを浮かべ、俺様天才、とかドヤ顔で言ってる。
実はこいつすんげぇ…バカなんじゃないか?
「いや、最初から分かりきってたか…」
「今すげぇ失礼な事考えただろ」
エスパーかよ…!!
誤魔化すようにドーナツをむしりつつ。
3時半には家に帰った。
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