1時間目:背負うモノ

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翌朝。 いつもより早く学校に登校する。 昨日に引き続き、爽やかな快晴。 春特有のあったかい風が屋上に吹き抜ける。 「んー、こんな日はサボるに限る…」 両手を頭上に振り上げ、一気に空気を吸う。 なんだ…何だっけ…この匂い… あぁ、そうだ。タバコ… ん?タバコ…? 「担任様の前で堂々とおサボリ宣言かましてんじゃねぇーよ。」 うわぁおっ!と口から漏れそうになった叫びを腹の底に押し戻しつつ、屋上の隅でタバコを吹かしてる海風を睨む。 「俺の授業は出ろよ?あとは別にいいけど。」 フェンスに背中を預け、不敵な笑みを浮かべる。 お前その発言は現役の教師としてどーなんだよ…。 「万年学年首席サマの座が奪われちまうぜ?」 「別にいいし…。学年首席に特別こだわりがあるわけじゃない。」 ある程度授業うけて、空欄を全部埋めれば100点なんてとれる。 「学年首席取りたいヤツが、お前の言葉を聞いたら泣くな」 携帯灰皿でタバコを揉み消し、ケラケラと笑う。 「ほら、俺様のありがたーい話が聞けるHRが始まるぜ?教室戻るぞ。」 何がありがたーい、だよ。 マトモな事話したことないじゃないか。 シブシブ海風について行き、教室へ入った。
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