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世界の情勢――国の力関係が変化していく中にあっても、その地位を確立し不動のものとする国もあった。
アメリカ、ロシア、カナダ、フランス、ドイツ、スイス、イギリス、――そして、日本である。
アメリカは東部の砂漠化が進んでいたが、広大なナショナル・パーク――国立自然公園を有していたため水源を確保する労力はほとんどなかった。
カナダも同様だが、こちらはアメリカ(アラスカ州を除く)よりも緯度が高いため砂漠化の進行はアメリカよりもずっと遅かった。
加えて、北アメリカ大陸を占めるこの国々は広大な農耕地をもっていた。
ヨーロッパでは、大河が流れる国や農業などの第一次産業が盛んな国が力(発言力)を持つようになった。
その最たるがフランスであった。
また、ドイツはEU(ヨーロッパ共同体)において重要な役割(主に経済バランスの調整)と大河を持っていたため依然としてその力は健在であり、アルプス山脈などの山脈から流れる清澄な水と世界中の金融を握りかつ武力を持つスイスもまた重要な位置にいた。
ロシアは、永久凍土の消滅で従来の建造物は使用できなくなったが、代わりに広大な農耕地と水資源を手に入れた。地盤の弱体化により一時的に国力は低下したが、元々世界屈指の化石燃料輸出国であることも相まって、その力は磐石となった。
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