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内定を蹴り飛ばしたことも、卒業論文を燃やしたことも、過去の笑い話にするには新し過ぎる話だ。
けれど僕にはやらなければならないことがあった。
そのためになら、僕はくだらない自己評価や、サラリーマンになるための片道切符を吸殻と共に灰皿に捨てることくらいはしてみたかったのだ。
決まり切ったレールの上を進むだけの人生なんて、どれほど味気なく色味のない世界だろう。
僕にとってそれは、想像する能力を失った世界と、何ら変わりないものだ。
パラダイムを破壊しなければ、環境は変化すれどもまたそれに適応し、そして歯車の一部として組み込まれることになる。
そうなれば、金魚鉢の金魚のように、同じ領域でのみ生きることになってしまう。
世界は広いのに、そんな狭い空間でしか生きようとしないなんて、勿体無いじゃないか。
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