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やがてその手を解くと、 先生はわたしの顔を覗き込んだ。 「お前さ。 俺が悪い先生だったら、どうすんの。 そんな無防備だと、 ほんとに部屋に連れ込まれるよ。 …バカ」 「……」 また、バカって言った…。 わたしが膨れると、先生はニッと笑って、 「減点1だから、 ゴハン連れてくのやめた」 「……何ですか、ゴハンて」 「模試でいい成績取れたら、 何かうまいもの 食わせてやろうと思ったけど、 おあずけだな」 わたしは目を見開いた。 「やだっ、おあずけ、いやっ!」 ジタバタしながら訴える。 「ダメ」 「やだやだっ、ぜったい、 いい点数取るからっ」 先生はいじめっ子顔で にっこり笑って、 「考えとく」 わたしはがっくりと 先生の肩に顔を埋めた。
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