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先生はくすっと笑って、 今度は優しく、 私の身体を包み込んだ。 「椎名…」 「…はい…」 「不安にさせたのは、 …悪かった」 「……」 「今度からは、…何かあったら、 泣く前に電話すること。 …いい?」 「……」 わたしは、先生にしっかりと すがりついた。 先生の匂いは、 おひさまみたいで……。 さっきまでの どんよりとした気持ちを、 嘘のように晴らしてくれた。 「…先生…」 「…ん…?」 先生の肩に 顔を埋めたまま、呟く。
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